先日の記事

不妊治療中の性交渉(人工授精の場合)

に引き続き、

体外受精で治療中の性交渉についてのお話です。


ネット検索されている方も多いと思いますが、

一番注意しなくてはいけないのは、

どのような治療法なのかによって
医師の回答や、ネットでの情報が違っているということ。




世界標準の体外受精は、

刺激法といって、右と左の卵巣にある卵胞を一度の採卵で
できるだけ多く採れるように卵巣刺激をしていきます。

日本では、人工授精と同じように自然周期での採卵もあります。

そのため、今回のテーマの答えも必然的に異なってきます。


ここでは、あくまでも「 刺激法による体外受精 」ということを前提に

4つの時期に分けて、
体外受精で治療中の性交渉」についてお話していきます。


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【卵巣刺激スタート直後の時期】


卵巣刺激をスタートし始めは、卵胞もまだ小さく、
卵巣にそれほど負担がかかっておりませんので、

激しい性交渉でなければ問題はありません。




【卵胞が成長し、採卵の3日前頃まで】


卵巣刺激をするために、お腹に皮下注射をしていきます。

卵胞がどんどん成長しています。

採卵日が近づくにつれて、この時期の性交渉はできるだけソフトに、です。


卵胞が多い方は、それだけ卵巣に負担がかかっていますので、
避けておいたほうが無難です。

激しいスポーツやタイマッサージが禁止となるのも、このような理由からです。


先に排卵して妊娠するかもしれないと心配される方がいらっしゃいますが、

採卵日が決定するまでは、排卵抑制剤(注射)を毎日投与しますので、
採卵日前に妊娠するということはありません。



【採卵日前後】


卵胞の数により個人差はありますが、
採卵前後は卵巣にかなり負担がかかっています。

また男性は、奥様の採卵合わせ精液採取をしなくてはならないため、
採卵日前は禁欲をしていたほうが、良い結果が望めると言えます。

 ( 個人差あり )



採卵後の禁欲は、感染症を防ぐためでもあります。


採卵日当日を含めて、採卵日前後の性交渉は避けましょう。




【胚移植後】


バンコクIVFセンター・ラップラオでの
胚移植日にお渡しする資料「胚移植後のお勧め事項」の中には、

運動や性交渉はお控えください。

という項目があります。

性交渉は子宮を収縮させてしまうことがあります。


胚移植後、ご妊娠して胎盤が完成する安定期に入る頃までは
控えたほうが良いといえます。

(出血など何らかの問題があった方は、ドクターのOKが出るまで)


胚移植後は、運動やマッサージも禁止されます。

ドクターが「胚移植後のマッサージ」を禁止する理由


 
というわけで、

体外受精での治療中から妊娠初期は、かなりストイックな 生活が強いられます。

女性だけが頑張るのではなく、ご主人の理解と協力が必要ですね。




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<自宅の猫家族>